年金はよく国民年金と厚生年金に分けられて語られますが、制度的には第一号被保険者(国民年金)と第二号被保険者(厚生年金)、第三号被保険者(第一号の扶養者)と分けられています。
koutekinenkin_hihokensha_202106-2近年、厚生年金の加入要件が緩和されているので、第二号被保険者が増加傾向にあります。
少し前までは週30時間以上働いている従業員であったのが、大企業であれば週20時間以上働いている従業員ということになりました。年金財政の厳しさから、どんどん緩和の方向に動いていくと思われます。
年金の保険料
年金の保険料は毎年改定されることになっており、2022年の国民健康保険料は一律16,590円となっていて、毎年賃金の上昇率などから計算されます。
厚生年金は月の標準報酬額からランクを36個に分けられて保険料が決まります。65万円をいくら超えても保険料が同じであることは不公平であるとの議論があります。
いずれにしろ厚生年金は標準報酬額の18%(労使折半なので、給料の9%)を超えており、これからも増えていくことが良さ王されます。サラリーマン日って給与総額と手取り額がまるで違うのは主にこの年金と医療保険料のせいです。
国民年金は破綻するのか
国民年金は破綻しない仕組みになっています。というのも国民年金の基本的な仕組みは保険料を集めてそれを配るだけだからです。国民年金の場合は支払われる金額を決めたあとに、年金受給者数でかけた総額を被保険者数で割るだけです。
つまり、今後少子高齢化が更に進んでも、受給金額が減っていくか、保険料が増えていくか、そのどちらもかといった問題であり、破綻するものではないからです。重要なポイントは年金の受給者数と被保険者数の割合であり、2040年頃には受給者数:被保険者数は1:2になると言われており、2020年現在毎月6.5万円ほど支払われている国民年金は4万円ほどになるか、保険料が1.5倍(3万円程度)になるかと言った問題なのです。
年金の運用って
よく年金の運用学が今年はマイナスだから問題だ!とか転勤の運用利益が100兆円を超えたから年金制度は安泰だ!などという話を聞くことがあります。
年金は運用することが目的ではありませんが、GPIFという投資会社を使って年金を運用しています。
将来に渡ってそれほど変化(特に保険料と受給額)のない制度にするべきだという考えから最小値に多少多めに受け取っておいて、そのあまりを運用することで将来の保険料の圧迫の足しにしようということで2006年にGPIFは生まれました。
GPIFの現在の運用金額は200兆円に及んでおり、2020年度は株高の影響もあり37兆円の運用益を出しています。その運用益は年金の支払いに当てられており、約10%程度が運用益から賄われています。
これは想像以上の成果ではないでしょうか、積立金の運用の成果で支給額の10%5兆円以上が賄われていることになります。
これだけ優秀な運用ができるならGPIFにもっと運用させるべきだと言う議論もありそうですが、日銀や金融機関が同時の日本株を運用ポートフォリオに入れ始めていることから、リスクの分散が必要だという考え方もあるでしょう。
坂元の考える年金ついて
少子高齢化は進み、2040年から50年にかけてピークを迎えます。その時代を乗り越えるためにも厚生年金の限度額の撤廃は必要です。高給取りには悪いですが、それなりの負担をお願いしましょう。
また、65歳を超えても十分に働ける人には働いてもらって、厚生年金を払ってもらいましょう。当然その分月の受給額は上がるように年金の受け取り開始年齢の変更も柔軟に対応できるようにするべきです。
ただ、どんな対策をとってもこのままでは国民年金、月4万円時代がやってきます。
そんな時代になろうかという時に抜本的な改革が起こるかもしれません。例えばベーシックインカムとか・・・