クオータ制度とは大多数が少数を無視することがないように担保する制度で、民主主義の欠陥を補うと言われています。
例えば、一昔前は競馬をするのは男性ばかりだったので競馬場に女性用トイレは十分ではなく清潔とは言えませんでした。
ところが近年、JRAは女性客の取り込みを考えて清潔な女性用トイレを作ったところ女性客が急増し、利益を大幅に伸ばしたという話があります。少数の意見を聞くことで世の中が好転するという例です。

政治の世界のクオータ制度

クオータ制の導入が進んでいるのは海外の政治家の数です。1990年代、政治家は欧米でも女性の方が圧倒的に少数でした。そのせいで社会制度も男性偏重のものが多く、社会として損失が多いのではないかと言われるようになっていました。そこで女性議員の数を一定の割合以上にするというクオータ制を導入する議会が出てきました。
私はこのクオータ制度に賛成です。社会が未熟である現段階で理想を実現させるためには少々手荒でも女性の活躍の機会を作る必要があると思っています。
ただ、私はこれだけではなく職業別のクオータ制度も必要だと思っています。

国会議員の前職の調査を見ると、自分で事業をやられていた方が目立ちます。それもそのはず議員になるためには地盤と時間が必要だと言われています。一般のサラリーマンではお金も時間も足りません。
また、社会保障関連の業界を見ても元医者の議員は結構いますが、介護業界から国会議員に転身した人は数少ないです。

職業別クオータ制

国は様々な職業の方が活躍して成り立っています。その国を運営していく議員が偏った業界出身の人達ばかりになってしまっては、本当に必要な政治が届かない可能性があります。
そのためにも職業(業界)別のクオータ制度が必要ではないかと思っています。多数の人々が働いている割に政治家が少ない業界では、その影響力の割に政治的に恩恵を受けられていない可能性があります。
無理矢理にでも業界ごとに国会議員の数を割り振るなどの制度があってもいいかもしれません。
特に介護業界の人間は政界にどんどん進出すべきだと考えています。介護業界には人口の5%以上が従事していると言われています。しかし、介護族と呼ばれるような議員はわずかしかいません。本来ならば25人程度は介護業界出身の国会議員がいてもおかしくはありません。
25人介護族議員がいれば大きな力を発揮することができるはずです。
介護事業の売上を左右する介護給付費を決める社会保障審議会の座長は毎回医者です。介護出身者ががリードできればもっと平等な給付費のなるのではないでしょうか。そんなことを考えてしまいます。