政治家を志すなら改めて勉強し直そうと思い、勉強会に参加したり大量に本を購入して勉強を始めました。
私の大きな理念の一つが介護職の給料を上げるというものですから、経済学は切っても切れないわけです。
とりあえず初中級程度の知識はついてきたかと思ったので一つアウトプットして見ようかと思います。
それは、最近気づいたマクロ経済学の弱点についてです。
それが給料を上げるために何をすればいいのか、明確な答えが載っていないことです。

マクロ経済学って?

そもそも、経済学を学んだことのない人にはハテナ?状態かと思いますので、簡単に説明します。
マクロ経済学というものは、経済というものは個々に活動する個人や企業、政府、外国などの主体があり、その全てはつながっていて個々に合理的に動くことを前提にしていて、ある経済的変化(政府の経済政策など)が起こった場合に他の主体にどのような影響を与えるかを研究するものです。
例えば、金利が上がれば企業はお金を借りて経済活動を活発化させるので、売上が上がるというような波及効果があります。
こういった、経済の循環を数式やグラフを使って分析して、主に政府がどのような政策をとればよいかという問に答えようというものなのです。

マクロ経済学は政策決定の大きな要因

さて、このマクロ経済学というものは近年政治判断に大きく影響を与えるようになっています。
例えば自民党は「責任ある積極財政を推進する議員連盟」など経済政策を検討するための議員連盟を立ち上げて、実際に財政政策に活かされています。
最近は経済学者がそれぞれの立場で経済政策を語るシーンをテレビでよく見るようになりましたね。MMTだとかリフレはだとかプライマリーバランスだとか一般的な用語になって来ているのもその影響ですね。
最近の傾向は金融政策でやれることの限界が見えたので、どこまで財政政策を打てるのか(借金をしてもいいのか)的な話題が多いように感じます。
財政政策とは企業や個人に一時的にお金を配ることで経済を活性化させるものであり、コロナ禍での飲食店への補助金や国民への一時金なども財政政策にあたります。
一方金融政策とは貨幣の量を調整することで金利をコントロールして企業や個人の消費意欲を刺激するというものです。主に日銀が管理する部門になります。

経済(財政)政策で「給料を上げる」とは

さて、給料を上げることも経済政策の一つではあるのですが、実は多くを語られることがありません。その理由は給料は労働市場を通して企業と個人の間で自然と決められるものだという前提があり、政府がとやかく言えるものではないというのが経済学の決まりごとがあるからです。
では、政府は給料を上げるためになにをするのかというと・・・大量にお金を刷るのです。
経済学のセオリーによると、お金が大量に出回ると金利が下がって、企業活動が活発になり、物価が上がって、失業率が下がるので給料が上がると言う玉突き効果を狙うわけです。
この理論はかつての日本やアメリカでは機能しており高度成長期やバブル期などに国民の給料を上げてきました。
しかし、ここ30年の日本の場合、いくらお金を刷っても物価を上げることができなかったので、給料も上げることができませんでした。
実質、日本政府は給料を上げる政策を失ってしまったのです。

直接給料を上げる政策とは

さて、政府の政策に直接給料を上げる政策がないと申し上げてきましたが、実は2つほどあるのです。つまり、労働市場を介さないで直接従業者の給料を上げる政策です。
その一つが公務員の給料を上げることです。
公務員は人事院規則で給料が決められていますが、民間企業と比較の上で人事院勧告と言うかたちで政府が給料を上げることが可能です。
しかし、公務員の平均給料は640万円ともいわれ、国民の同意が得づらいことがあり、政府も躊躇しているのでしょう。

介護職処遇改善加算

そして、政府が労働市場を無視して直接給料を上げることのできる政策の2つ目が、介護福祉職への「処遇改善加算」の増額です。介護福祉事業は医療などと同様に保険報酬制度であり、国が売上を管理しています。
そして、2010年に始まった処遇改善加算という制度は政府が売上に加算を乗せることでその売上のプラス分を介護職員にそのまま渡すという制度であり、政府の支出(厳密には保険制度ですが・・・)がそのまま介護職員の給料となる珍しい制度です。
しかし、未だに(夜勤なし)介護職員の平均給与は300万円程度であり、東京で生活できるレベルではありません。
ここに処遇改善加算として一人当たり100万円ほど処遇改善加算の増額を行えば、400万人と言われる介護職員が幸せにすることができ、4兆円を超える経済効果を生むことができるのです。
また、介護職員の※消費性向は高いのでその4兆円はさらなる企業や消費者へと効果を波及させ規模を大きくしていきます。
私はこの政策こそ最も効率的に乗数効果を得られる財政政策だと思っています。介護職員は結婚や子供を生みたいと思っても諦めているケースも非常に多いです。
人口が増えれば総供給曲線をシフトさせることも可能です。笑

300万人の貧困者を出してきた責任を取るべきだ

以上、何を言いたいかと言うととにかく介護職員の給料をあげてくれ、それが国のためにもなる、ということです。
2000年に始まった介護保険制度は400万人を超える介護職員という雇用を生み出しました。そしれそれと同時に300万人以上の貧困労働者を生み出しました。
給料が増えないのは保険報酬を下げ続けている愚策によるものです。これに介護職は気づき始めています。
このまま無視をして、介護職員よりも先に公務員の給料を上げるなどしたら介護職員の反乱が始まることでしょう。
介護職員の給料を上げることを経済政策と位置付け、大きな予算をつけなければ行けません。
それが、現在の介護保険制度を作ってきた者たちの責任だと思います。