同一労働同一賃金とは

同一労働同一賃金という言葉が独り歩きしている感がありますが、わかりやすく言うと短時間労働者(パート)と正社員の給料格差をなくそうということです。
しかし、パートは毎日出勤しているわけじゃないし月給と時給では比べられないと言われる方には簡単な比較方法があります。
あなたが短時間労働者の場合、平均的な正社員の月間就業時間(190時間)をかけてみてください。
時給1,200円の場合、190時間を掛けて月給にすると22.8万円になり、あなたと同じ仕事をしている正社員と比較してあまりに低い場合は是正する必要があるということになります。
正社員の数値は残業代は省きますが、ボーナスなども按分して入れる必要があります。
また、福利厚生や研修の機会などの待遇面についても同等でなければなりません。

非正規職員を活かしてこそ

さて、介護職員は正社員であっても給与が低いことはお話しましたが、非正規の職員は更にひどい状況です。
介護業界は非正規職員の割合が極端に高いことで知られていて、全労働者に対する非正規の割合はほぼ50%となっています。
特に女性のパートの割合が多く、最低時給水準の時給で働いている方がとても多いです。
実際にパートさんがいるから日々の業務が回っている事業所ばかりなのではないでしょうか。
同一労働同一賃金の真の目的は不当に安い給料で働かされているパート職員に対して、正社員並みの給料を支払おうというものです。
給料の計算方法は先程の逆で同一労働の正社員の月給を190で割ったものが適正時給となるわけです。
そうすることでパート職員は同じ施設で安心して長く働くことができるのでサービスの質が向上します。

正社員の時給制の推奨

同一労働同一賃金は正社員の時給制とも相性の良い考え方です。正社員は月給でなければならないなどというルールはないのです。
正社員も時給制を採用することで社員にとっても働きたい時間内での勤務が可能になったり、会社側も必要な時間だけ働いてもらうことも可能になります。
また、時給制にすることで残業に対する意識も強くなり無駄な残業やサービス残業が減るという双方にとって良い結果が期待できます。
当然雇用契約での合意が必要になりますが、新しい働き方の一つして選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。